美津子つれづれに…「早春の光の中で」
2017.02.26 Sunday
ポワポワとミモザが風に揺れています。
このところ クリスマスローズガーデンの中に増えてしまった
秋明菊を堀りあげ、庭のあちこちに移植し
庭のあちこちに飛んでは咲き始めたクリスマスローズを
仲間のいる方に持ってくるという作業を繰り返しています。
外にいると、降り注ぐ光が、明るくなってきたのを感じます。
今年もはじめてこの地に出会った早春がやってきました。
あの時と同じように、静かに梅が咲き、ふきのとうも
同じ場所に顔を出し、和ませてくれています。
4本の桜はあの時よりずいぶんと大きくなり、幹には苔が付き
老木の風情です。
それでも季節がくれば美しく咲いてくれます。
今年も枝が何となくピンク味を帯びてきました。
菫埜に住んで15年経ちました。
菫フローリストをやめて、終の棲家にと、この地に移り
初めは庭を作りたい、娘達の里帰りできる家にしたい
という思いだけでした。
ターシャに憧れて、せめてミーシャにと挑みましたが、近づけたのは
刻まれた顔のシワぐらいのものでした。
店もあるし、手仕事も陶芸もしなくちゃだし、足が悪かったので
主人に任せてしまうことも多く、なかなか思うようにいかなくて
何度も失敗を繰り返すうち、もっと気楽に好きな植物を植えてみて
この地にあったものが残れば、それを育てれば良いと考えることにしました。
おかげで、今、お抹茶のお稽古日には、庭を一回りすれば
何かしら見つかるぐらいにはなりました。股関節の手術を受け
自分で動けるようになり、まだまだああしたいこうしたいと
思うことばかりですが、それはそれで楽しみです。
あっという間の15年でしたが,いろんなことがありました。
自分がまた動けるようになったこと。
遠くに行ってしまったと思った千絵美が、思いがけなくスイスから
Sumirenoを手伝ってくれたり、
Shopを手伝ってくれてた博美が景都を連れて戻ってきて
Sumirenoを主になってやるようになったこと
いろいろあって、50代半ばから60代の後半までをこんなに
エキサイティングに過ごすことになるなんて・・・。
人生は本当に予測できるものではないものです。
先日、どうしても置き場のなくなった居間のソファを2つ
思い切って花室の長い部屋に運びました。
お昼過ぎで午後の柔らかな光が差し込んで、とても暖かかったので
そこに座って、しばらくボーっとしてしまいました。
庭仕事が一段落した時、今、文化祭に向けて「盆略点前」をやっているので
練習も兼ねて、お抹茶を点て主人と花室で飲みました。
こんな所があったのに、15年も気が付かなかったなんて…。
もったいなかったね〜。
「もうぼちぼちゆっくりしてもいいんじゃない?」などと
言ってみたりもするんだけど…。